プレミアリーグの決定率を必見分析|ハーランド・イサク・ワトキンス3選手比較
プレミアリーグの決定率を見ると、FWの得点力は得点数だけでは評価しきれない。なぜなら、同じ20得点でも「大量に打って20点取った選手」と「少ないシュートから20点取った選手」では、得点の作り方が違うからだ。
2023-24プレミアリーグでは、アーリング・ハーランドが27得点で得点王。コール・パーマー22得点、アレクサンデル・イサク21得点、オリー・ワトキンス19得点などが続いた。ここではFBrefとPremier League公式の公開データを使い、得点型FWに必要な能力を分解する。
プレミアリーグの決定率で見える得点数だけではない差
| 選手 | 得点 | シュート | 枠内率 | 得点÷シュート数(単純比) |
|---|---|---|---|---|
| ハーランド | 27 | 121 | 48.8% | 0.22 |
| イサク | 21 | 78 | 55.1% | 0.27 |
| パーマー | 22 | 108 | 42.6% | 0.20 |
| ワトキンス | 19 | 106 | 43.4% | 0.18 |
| サラー | 18 | 114 | 49.1% | 0.16 |
対象は2023/24シーズン。表の単純比は掲載得点数÷掲載シュート数を小数第2位に丸めた値で、本文のG/Shもこの意味で使う。得点数はPKを含むため、PKを除いた決定率とは区別する。枠内率もデータ提供元の集計に基づき、他の資料と比較する際にはシュートとPKの扱いをそろえる。
数字を見ると、ハーランドは「決定率が高い上にシュート本数も多い」。一方、イサクはシュート数が比較的少ないのに21得点しており、1本あたりの効率が非常に高い。
得点を量産するには「量×質」が必要
FWの得点力を単純化すると、シュート機会の量 × シュートの質 × 実行精度で考えられる。
ハーランドが強いのは、121本という高いシュート量を確保しながら、G/Shも0.22を保っていることだ。大量に打つ選手は難しいシュートも増えて決定率が落ちやすい。それでも高い数値を維持できるのは、ゴールに近い位置でのフィニッシュが多いこと、味方のラストパスへ入り込むタイミングが優れていることが大きい。

イサクから学べる「打つ場所の選び方」
イサクのG/Shは0.27。単純計算では約4本に1本が得点になる。もちろんPKやデータ定義の影響はあるが、少ない本数でも高効率で得点できることを示している。
ここで「シュートが上手いから」とだけ考えると学びが浅い。重要なのは、シュート前のプレーだ。相手DFとの間隔、ゴールへの角度、ファーストタッチの向き、GKとの距離。シュートは最後の一瞬だが、その一瞬を簡単にするための準備がある。
ワトキンスはなぜ得点が増えたのか
Premier League公式のワトキンス分析(2024年)では、ウナイ・エメリ監督就任後のワトキンスは、以前より中央に留まり、ボックス内へ入る回数を増やしたことが示されている。本人も以前はチャンネルやコーナー方向へ走ることが多かったが、現在は「ボックス幅の中」に残り、走り出しのタイミングを重視するようになったと説明している。
これは高校生にも重要だ。運動量が多いことと、得点しやすい場所にいることは同じではない。FWが守備やサポートで外へ流れ続けると、最後にゴール前へ入る人がいなくなる。
「頑張って走るFW」と「点を取るFW」の違い
| 行動 | 評価されやすいが得点につながりにくい例 | 得点につながりやすい考え方 |
|---|---|---|
| サポート | 毎回ボールへ近づく | 必要な時だけ近づき、最後はゴール前へ戻る |
| 背後 | 常に全力で走る | 味方が前を向く瞬間に走る |
| クロス対応 | ボールだけを見る | DFとGKの間を先に取る |
| シュート | 打てるならどこからでも打つ | より高確率の場所へもう1タッチ運べるか判断 |
枠内率が示すもの
枠内率は単なるキック精度ではない。難しい体勢、遠距離、角度のない位置から無理に打てば下がる。逆に良い場所で身体を整えて打てれば上がる。つまり枠内率には、シュート技術だけでなくシュート選択が混ざっている。
ハーランド、イサク、サラーのように枠内率が高い選手は、相手のプレッシャー下でもゴール方向へ運び、最低限GKに仕事をさせている。

高校サッカーで記録するならこの6項目
プロのようなトラッキングデータがなくても、以下なら自分で記録できる。
- シュート数
- 枠内数
- PA内シュート数
- 得点数
- 決定機で触れなかった回数
- クロス時にゴール前へ入れた回数
特に5と6が重要だ。シュート0本の試合でも「チャンスがなかった」のか、「動き出しが遅くてシュートにできなかった」のかで改善点が違う。
決定率だけを追う危険
決定率を上げようとしてシュートを減らすのは本末転倒だ。5本中1点なら20%だが、1本中1点なら100%。数字だけなら後者が優れて見える。しかし長期的に得点を増やすには、良いシュートを増やす必要がある。
だから目標は「決定率を高くする」ではなく、高確率のシュートを増やしながら、十分な本数も確保すること。
まとめ:得点できるFWはシュート前が違う
プレミアリーグの上位得点者を見ると、得点力はシュート技術だけでは説明できない。ハーランドのように大量のシュート機会を作る能力、イサクのように高効率で終える能力、ワトキンスのように立ち位置を変えてボックス内での回数を増やす能力がある。
FWが伸ばすべきなのは「シュート」だけではない。オフザボール、味方を見る力、相手DFの視野から消える技術、ファーストタッチ、そして外しても次へ入り続けるメンタルまで、すべて得点力の一部だ。
参考:FBref 2023/24プレミアリーグ・シュート統計、Premier League公式:2023/24シュート数ランキング。
FWの得点力をさらに考えるなら、W杯の得点数と決定率の分析と、オフザボールの動き方も合わせて読むと、シュート前の準備まで整理しやすい。
よくある質問
決定率だけでFWを比較してよいですか?
決定率だけでは判断できません。シュート数、打った位置、出場時間、PKを含むかなど、集計条件も合わせて確認します。少ないシュートでの高い割合を、長い期間の安定した能力と同一視しないことが大切です。
高校生は何から記録するとよいですか?
まずシュート数・枠内数・得点数を同じ基準で記録し、余裕があれば打った場所を加えます。得点できなかった試合でも、シュートに入る前の動きを映像で振り返りましょう。
シュートを減らせば決定率は改善しますか?
割合が上がる場合はありますが、得点機会まで減らしてしまうことがあります。数字だけを目標にせず、良い場所へ入り、適切なタイミングで打てる機会を増やします。


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