サッカーの三人目を使う4つの条件|成功につなげる連係練習
サッカーの三人目は、直接届かない味方へ、別の味方を経由してつなぐ連係だ。AがBへ渡し、BがCへつなぐ。その間にCが受けられる状態を作る。三人で触れば何でも成功というわけではなく、経由することで相手の守り方を変えられたかが大切になる。
高校生の試合では、練習で決めた順番を守ろうとして、直接出せるCへのパスまで見送ることがある。三人目は目的ではなく前進の手段だ。本記事では、経由する価値がある場面と、連係を成立させる4つの条件を実戦と練習に分けて説明する。

サッカーの三人目とワンツーの違い
ここではAを最初の出し手、Bを経由する選手、Cを次の受け手と呼ぶ。ワンツーはAからBへ出し、Aが再び受けるのが基本になる。三人目を使う連係では、Bから別の選手Cへつながる。A自身が走り直す場合もあるが、最初の二本ではCが受ける点が違う。
例えばセンターバックAから、背中に相手を背負ったFWのBへ縦パスを入れる。Bが無理に反転せず、前向きに走り込むMFのCへ落とす。Cが前進できれば、Bが前を向けない状態でも攻撃を続けられる。ただしCが相手に捕まっているなら、形だけ同じでも効果は小さい。
| 選択 | 主な流れ | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 直接パス | A→C | 安全に通って次へ進めるか |
| ワンツー | A→B→A | Aが再び受ける場所を使えるか |
| 三人目 | A→B→C | Bを経由してCの状況が良くなるか |
三人目を使う連係を成立させる4条件
1.AがBの次のプレーまで見て配球する
最初のパスは、Bへ届けばよいわけではない。Bがどちらへ落とすかによって、受けたい足や強さが変わる。相手に挟まれたBへ浮いた難しいボールを入れれば、Cが準備してもつながらない。AはBの足元だけでなく、周囲の相手とCの進路を見る。
例えばCがBの左後方へ入るなら、Bが身体を大きくねじらず返せる条件を作りたい。ただし「必ず左足へ出す」と固定はしない。Bの利き足、相手の接触、ボールの速度で扱いやすさは変わる。練習で実際に受け、どの配球なら次のパスが出せるか共有する。
2.Bが落とし先を知り、無理な反転を避けられる
Bには受ける前の確認が必要になる。Cの位置が分からないまま一度で落とすと、相手へ渡す危険がある。Cの声だけを頼りにせず、受ける前に確認できる位置関係を作る。確認の基本は判断力の記事ともつながる。
相手が密着していれば、Bは身体でボールを保護してから返してもよい。ワンタッチにこだわって失うより、二回触って確実につなぐ方がよい場面もある。逆に相手が離れ、B自身が安全に前を向けるなら反転を選べる。落とすことを強制しない。
3.Cが早く入りすぎず、遅れすぎない
Cが最初から受けたい場所に立ち続けると、相手もその位置を守れる。一方、Bが受けてから走り始めては遅い場合がある。AがBへ蹴る準備をした段階で動き始め、Bが触る瞬間に渡せる線へ入ることを目指す。
ここでいう「遅れて入る」は、全員よりゆっくり走ることではない。相手がAとBへ意識を向ける時間を利用して、必要な場所へ現れるという意味だ。パスの距離や強さが変わればタイミングも変わるため、合図を秒数で固定せず、ボールとBの状態に合わせる。
4.相手を引き付けても逃げ道を残す
Bへ相手が寄れば、別の場所が空く可能性がある。しかしBとCが近づきすぎると、一人の守備者に両方を止められる。Cは相手がBへ出た後ろや横へ入り、同じ圧力を一緒に受けない位置を選ぶ。
相手がBへ寄らず、Cへの線を守ったままなら、経由しても有利にならない。Aへ戻す、外側へ展開する、Bが保持するなど別の選択が必要だ。連係が読まれたときに止められることも、三人目を使う連係を使う技術に含まれる。

高校生の試合で使える3つの場面
中央で前向きのMFを作る
後方AからFWのBへ入れ、MFのCが斜め後ろで受ける。Bの反転を相手CBが警戒して寄ったときに使える。ただし相手MFがCについているなら、Cは同じ場所へ強引に入らない。別の味方に空間を譲る判断も必要になる。
サイドで内側の選手へつなぐ
サイドバックAからウイングBへ出し、内側のMFのCが受ける。Bに外側への寄せが来た場面で、内側へ落とせれば前進の方向を変えられる。タッチライン際でBを孤立させないことが前提だ。Aは出した後も戻し先として残る。
ゴール前で前向きに受ける
中央から前線へ入れて落としを受ける場合、Cは相手の位置とシュートコースを先に確認する。落としを必ず打つと決めず、相手が出てきたら横へつなぐ候補も持つ。形を作れたことと、良いシュートになったことは分けて評価したい。
三人目を使う連係を練習する順番
練習1:3人で配球と到着を合わせる
AとBを向かい合わせ、Cを斜めに配置する。AからBへ出し、CがBの落としを受ける。Cは毎回同じ場所に止まらず、少し離れた開始位置から入る。最初は相手を置かず、Bが扱えるパスとCの到着を確かめる。
成功条件はCが大きく止まらず、次のパスか運ぶ動作へ移れること。順番どおり触れただけでは評価しない。難しければ距離を短くし、慣れたら左右を入れ替える。この段階は技術とタイミングの確認であり、守備への判断練習は次で加える。
練習2:3対1で直接パスも認める
A、B、Cに守備者一人を加える。攻撃はCへの到達を狙うが、AからCへの直接パスも認める。守備者はBへのパスかCへのパスのどちらを切るか変える。Aが守備を見て、直接か経由かを選べるようにする。
成功条件は「空いている選択を使えたこと」。三人目を使った回数だけを得点にすると、不要な経由が増えやすい。簡単なら守備者の開始位置を自由にし、難しければ守備範囲を限定する。
練習3:4対3で連係後まで続ける
攻撃4人、守備3人で方向を設定し、前方ラインを越えてパスをつなぐか運べば得点にする。攻撃の4人目は戻し先や別の前進先になる。BとCがふさがれたときも、その選手を使ってやり直せる設定にする。
評価では、連係前の確認、Bの扱いやすさ、Cが受けた向き、次のプレーまでを見る。難しい場合は守備の人数を減らす。慣れたら奪われた後もプレーを続け、縦パスを失った位置が危険かどうかも学ぶ。

よくある失敗と修正
| 失敗 | 考えられる原因 | 修正 |
|---|---|---|
| Cが待っている間に捕まる | 早く入りすぎた | Aの蹴る準備とBの接触を合図にする |
| Bの落としがずれる | 配球が難しい、Cが見えていない | 守備なしで足と強さを確認する |
| 一人の相手に止められる | BとCが近すぎる | 相手の横へ別の線を用意する |
| 毎回同じ形を狙う | 直接パスを禁止している | 直接・経由・やり直しを選ばせる |
三人のうち誰か一人のミスと決める前に、最初のパスから見直す。Cが受け損ねたように見えても、Bが苦しい体勢で落としていたかもしれない。オフザボールの記事を参考に、ボールを持っていない時間の準備も確認したい。
研究をどう参考にするか
身体方向とパス可能性の計算モデル研究は、位置に加えて身体の向きと相手の配置を扱う。BやCの場所だけでなく、受けた後にどちらへプレーできるかを考える参考になる。ただし三人目の練習効果を実証した研究ではない。練習の効果は自分たちの試合で確かめる必要がある。
連係を一場面ずつ振り返る記録例
AからBへの縦パス、Bの落とし、Cの前進を一続きで確認する。最後に失った選手だけを評価せず、どの段階で選択肢が減ったかを探す。
| 確認項目 | 記録例 |
|---|---|
| Aの確認 | Cへの直接パスは相手に切られていた |
| 最初のパス | Bが落とせる足元へ届いた |
| Bの準備 | Cを確認してから受けた |
| Cの到着 | Bが触るときに斜め後ろへ入った |
| 受けた後 | 前向きに運べた |
| 次の課題 | 守備がCを追った場合の戻し先を作る |
同じ形が成功したら、守備者の対応を一つ変える。Cを追う役を置いたときも直接パスややり直しを選べるなら、順番を覚えただけの状態から進んでいる。
逆に相手の配置が変わっても毎回同じパスを出すなら、いったん人数を減らす。直接出せる条件と経由した方がよい条件を、本人の言葉で説明してから再開する。
三人で合図を合わせる
「落とせる」「前を向ける」といった声は、状況を伝える補助になる。ただし周囲の情報が違えば、受け手が変更してよいことも共有しておく。
実践チェックリスト
- AはCへの直接パスも見ている。
- Bは受ける前に落とし先を確認した。
- CはBが触る瞬間に渡せる線へ入った。
- BとCが同じ守備者にまとめて捕まっていない。
- 閉じられたときの戻し先がある。
よくある質問
必ずワンタッチでつなぐ?
必要ない。ワンタッチが使える条件なら速いが、難しいパスを無理に返すより二回触って保持する方がよい場合もある。
FWだけがBを担当する?
固定ではない。ウイング、MFなど、その局面で経由する役割を持つ選手がBになる。
三人目がフリーでないと使えない?
完全にフリーでなくても使える場面はあるが、受けた後の選択が必要だ。相手に囲まれた場所へ形だけで通さない。
試合で成功したかは何で見る?
Cが受けたときに前進、保持、シュートなどの状況が良くなったかを見る。三人が触った回数だけでは判断できない。
まとめ
三人目を使う連係は、Aの配球、Bの準備、Cの到着、相手との位置関係で成り立つ。直接出せるなら直接出し、経由した方が状況が良くなるならBを使う。次の練習では決まった順番の成功だけでなく、「なぜ経由したのか」を説明できることを目標にしよう。


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